つま先真っ直ぐの意識が膝痛の原因に?

「つま先を真っ直ぐの意識が膝痛の原因に?」というキャッチコピーが書かれたブログのアイキャッチ画像。

「つま先を真っ直ぐ向けなさい」と教わった方は多いかもしれませんが、実はそれが膝痛の原因になっているかもしれません。

実は、人の構想的につま先を真っ直ぐにすることは股関節・膝関節・足関節にとってはニュートラルなポジションではないんです!

ニュートラルポジションでなければ各関節に負担はかかりますし、股関節と足関節の間にある膝関節はより大きな負担がかかります。

本日は、

  • つま先が真っ直ぐにならない理由
  • つま先真っ直ぐが膝への負担になる理由
  • 本来のつま先の向き

について詳しく解説していきます。

目次

「骨の形状」から考える、つま先が真っ直ぐにならない理由

大腿骨(ももの骨)と脛骨(すね)の画像からそれぞれについて説明していきます。

右大腿骨を真上から見下ろした骨格図。膝関節の横軸に対して大腿骨頸部の軸が上(前)へ約12°〜15°傾いている(前捻角)構造を示したイラスト。

大腿骨を真上から見た図なのですが、大腿骨頭と大転子に注目してください。

大腿骨頭は骨盤にはまり込んでいる部分で、大転子は太ももの外側に出っ張っている部分です。
この2つの位置関係を見ると、大腿骨頭は骨盤の真横についていないことがわかります。

なぜなら、大腿骨頸部が斜め前側に捻られている(前捻角がある)からです。

この「斜め前への捻れ(前捻角)」があるため、大腿骨単体で見ると、股関節を真っ直ぐセットするとつま先はやや内側を向いてしまうます。

大腿骨(上)の構造がわかったところで、次は下の骨である「脛骨(すね)」を見てみましょう。

正面から見た右脚の骨格図。脛骨(すねの骨)が構造上外側に約15°〜20°捻れている(外旋)ため、足首から下が自然と外側を向く仕組みを解説したイラスト。

画像を見ていただければわかりますが、脛骨は外に捻れています。

そのため、膝蓋骨(お皿)を正面に向けるとつま先は必然と外を向くようにできています。

大腿骨と脛骨の捻れがあるためつま先は真っ直ぐにはなりません。

なぜ、つま先真っ直ぐが膝に負担がかかるのか?

つま先を無理に正面へ向けると、股関節が強制的に内旋された状態になります。
この状態から動き出すことで、以下の2つの大きなエラーが起こります。

  • ニーイン(膝が内を向く)
  • 外体重になる

股関節の内旋が引き起こす「ニーイン」

先ほど説明した大腿骨と脛骨の捻れがあるため、つま先を真っ直ぐにセットすると股関節は内を向いている状態(内旋)になります。

つま先が正面を向いている見た目自体は綺麗に見えるかもしれませんが、股関節側からするとニュートラルの位置にいないため、バランスが悪く力を発揮しにくい状態です。

また、股関節が内を向いているということは膝も内を向いているため、そのまま膝を曲げると自然と内側に折れ込みやすくなります。

(椅子に座った状態で脚を開くと膝は外を向き、閉じると内を向くのをイメージしていただくと分かりやすいかと思います。)

このように膝が内側に折れ曲がることを「ニーイン」と呼び、膝の内側に強いストレスをかけてしまいます。

スクワットなどのフォームでよく注意される動きですが、これは膝そのものやフォームの失敗というよりも、根本にある「つま先(股関節)の向き」が原因です。

無理な修正動作から起こる「外側体重」

今度は、先ほどの「ニーイン」を防ごうとして、無理に膝をつま先の方向へ開こうとしながらしゃがむケースです。

これによりニーイン自体は防げても、重心が外に逃げて「外側体重」になってしまい、膝の外側や太ももの外側のトラブルを引き起こします。

ニーインによる膝の内側へのストレスも問題ですが、この外側へのストレスも膝だけでなく、股関節・腰の痛みのほか、太ももの張り(見た目)にも悪影響を与えるため非常に厄介です。

こちらも膝や動作そのものに問題があるわけではなく、スタート時点での「つま先(股関節)の向き」に根本的な原因があります。

「つま先の正しい位置」とは?

では、つま先はどの方向に向けるのが正しいのでしょうか?

結論から言うと、つま先の角度を意識するのではなく「膝のお皿を正面に向ける」のが正解です!

膝のお皿が正面を向くと、股関節は自然とニュートラルの位置に収まり、つま先は自ずとやや外側を向きます。

専門書などでは「脛骨(すね)は構造上15°〜20°外に捻れているため、つま先も15°〜20°外に向けましょう」と解説されますが、自分で「15度〜20度」の角度を作るのは難しいですよね。

また、ウェアや体型によって膝のお皿の位置が見えづらい場合もあります。そこで、誰でも簡単に自分に合った「正しいつま先の向き」を見つけられる簡易的な方法をご紹介します。

下の画像は、足首が構造上「どの方向に曲がるか」を示した骨格図です。

右足を真上から見下ろした足部の骨格図。完全な真横の基準軸に対し、距骨を中心とする距腿関節の可動軸(背屈・底屈運動の軸)が斜め外開きに通っている構造を図示。

青線は「真上の直線」ですが、オレンジ線は少し「斜め外側」を向いています。実は、足首の関節(距腿関節)は構造上、曲げたときに斜め外側へ折れ曲がる仕組みになっています。

他の関節の動きを借りればまっすぐ(青線)曲げることもできますが、足首単体で見ると、このオレンジ線の方向へ曲がるのが本来の自然な動きです。

この「足首が持っている純粋な曲がる方向」を利用して、あなた専用のつま先位置をセットしてみましょう。

自分に合ったつま先位置を決める簡単ステップ

まずは下記のビフォーアフター画像をご覧ください。
内側を向いていた膝のお皿が、しっかりと正面(ニュートラル)を向いているのが分かります。

つま先の向きによる膝蓋骨(お皿)の向きの変化を示すビフォーアフター写真。Before(つま先正面)では膝のお皿が内側を向いているのに対し、After(つま先を斜め外側へセット)では膝のお皿がしっかりと正面(ニュートラル)を向いている比較画像。

やり方はとても簡単です。

  1. まず、つま先を真っ直ぐ前に向けた状態で立ちます。
  2. 片足ずつ(または両足同時に)、足首を先ほどのオレンジ線の方向(斜め外側)に向かって足先を持ち上げます。
  3. そのまま足を床に下ろします。

すると、つま先が勝手に自然な外向きの位置にセットされるはずです。

※このとき、床とかかとが固定されていたことで足裏の皮膚が捻れて違和感が出る場合があります。その場合は、かかとをほんの1ミリ程度浮かせて、皮膚のヨレをリセットしてあげてください。

このステップで決まったつま先の位置こそが、あなたの骨格に一番フィットした「最も負担の少ないアライメント」です。

日常で立っている時や歩いている時も、ぜひこのつま先の方向を意識してみてください。

また、スクワットや片足でのトレーニングを行う際、ゴルフでのアドレス(構え)を作る際も、まずはこのステップで決まった足の角度を基準にセットアップしてみましょう。

膝の捻れや違和感がすっと抜け、スムーズに力が入るのを実感できるはずです。

まとめ

今回は、「つま先を真っ直ぐに向けること」がなぜ膝への負担につながるのか、そして本当の正しい足の位置について解説しました。

  • 大腿骨の前捻角と脛骨の外捻があるため、人間の骨格上「つま先真っ直ぐ」は不自然
  • 無理に真っ直ぐセットすると「ニーイン」や「外側体重」を引き起こし、膝関節を痛める原因に
  • 足首本来の可動軸を利用した簡単ステップで、自分に合った最適なつま先角度がセットできる

「フォームを意識しているのに膝が痛む」「スクワットでうまく力が入らない」とお悩みの方は、ぜひ一度つま先を無理に正面へ向けるのをやめてみてください。

ご自身の骨格に合った本来のアライメントに整えることで、日常の歩行はもちろん、トレーニングやスポーツのパフォーマンスも格段に向上します!

「自分の骨格に合った正しいフォームを知りたい」「膝や足の違和感を根本から改善したい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

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