ストレッチでカラダは緩むのか?
運動前、運動後だけではなく1日の疲労回復、寝る前のリラクゼーションなどでストレッチは行われていますが、実際にカラダは緩んでいるのでしょうか?
- ストレッチをしているのに再発する怪我
- ストレッチしているのに改善されない腰痛
- ストレッチしたら怪我をしてしまった
- ストレッチしているのに柔軟性が向上しない
など、ストレッチがプラスに働いていない経験がある方は多いのではないでしょうか…
そこで本日は、
- ストレッチは本当に効果があるのか?
- なぜ効果がなかったのか?
- なぜ痛めてしまったのか?
- どうしたらカラダは緩むのか?
- 効果的なストレッチ方法とは?
をご案内します。
ストレッチでカラダは緩むの?
ストレッチは筋肉を伸ばして硬くなった筋肉を元の柔軟性に戻す、または柔軟性を向上させるために行われます。
ストレッチは関節可動域の改善または関節可動域の向上のための方法。
多くの方が、硬くなったものを伸ばすとカラダが柔らかくなるというイメージがあるのではないでしょうか?
硬い粘度を柔らかくするときはどうしますか?
多くの方が、粘度をこねてから伸ばしていくと思います。
硬くなった筋肉も粘土と同じように急に伸ばすことは難しいです。
また、ゴムを伸ばすと柔らかくなりますか?
答えはNoですよね。
張力が働き逆に縮もうとして硬くなります。
筋肉にも同じです。
筋肉は収縮するために働きます。
伸びるためには働きません。
※便宜上、伸びると言っていますが筋肉は伸びません。
下記の画像のように緑色の細胞が寄ったり離れたりするだけです。
離れても紫の細胞以上には離れません。離れたら筋肉は損傷します。
筋肉は収縮することが仕事です。
なので、上記の画像の緑の細胞が弛緩してる状態から離れようとしたら縮むようセンサーが働きます。
よくストレッチを20秒間するとセンサーがオフになり筋肉も緩むと言いますが、ストレッチをされてると感じてる時にオフになることはありません。
収縮することが仕事なのにオフになったら怪我をしてしまいます。
しかし、後ほど出てきますが、ストレッチ感を出さずに筋肉と腱の移行部にあるゴルジ腱器官のセンサーに刺激を与えると筋肉に緩むよう指令が出ます。
そこで筋肉が緩んだということになります。
緩むだけで伸びるわけではないのでご注意ください。
ストレッチをしたら筋肉は緩むのか?
「筋肉はストレッチされると縮もうとセンサーが働くのでストレッチでは筋肉は緩まない」が答えになります。
スポーツを行なっている方はこのセンサーが敏感なので瞬時に動くことができ、怪我の予防にもなっているので、センサーをオフになりにくいのと、オフにするメリットはないかもしれません…
細胞の滑走性
肉離れやぎっくり腰などをした場合や痛みがあるところは、先ほどの画像の緑の細胞が寄ったままになり、細胞の滑走が悪い状態になっています。
勝手に戻るはずの細胞が戻っていないのに、ストレッチをするとカラダにとってストレスなので緩まないだけではなく、より硬くなる可能性があります。
この細胞の滑走は脳からの指令で悪くなっているため、違う指令を出すよう促さなければ改善することはありません。
この指令は自然に置き換えられることもありますが、悪い運動パターンや姿勢が定着してしまい置き換えられないこともあります。
肉離れやぎっくり腰を再発する方、指で押されると痛いところがある方は、指令が置き換わっていなく細胞の滑走が悪いままということになります。
そして、細胞が寄ったままで滑走が悪くなった状態ですと、緩むことだけではなく縮むこともできない状態で、血流も悪くなるので痛みは消えない、筋肉は硬くなるという悪循環に陥ることも。
指令が置き変わっても筋肉が伸びたわけではありません。
緩んで細胞が元の位置に戻っただけです。
筋肉と筋肉の滑走性
筋肉の隣には別の筋肉があります。当たり前ですが…
筋肉は隣の筋肉と別の動きができるように筋膜に覆われています。
筋膜があることで、筋肉と筋肉は滑走することができます。
しかし、なんらかの理由でこの滑走が悪くなることがあります。
先ほどの細胞の滑走とは違い、ストレッチはすることができますが、筋と筋がくっついているため筋肉により強い力がかかってしまいます。
ストレッチをして筋肉に痛みがでた方は、この筋肉と筋肉の滑走性が悪くなっているのに無理矢理ストレッチをしたからと言えます。
また、肉離れやぎっくり腰が再発する方も細胞の滑走性だけでなくこの滑走性も悪くなっています。
両方の場合もあり、どちらか一つの場合もあります。
滑走が良くなっても筋肉が伸びて柔軟性が向上したわけではありません。
滑走が良くなり抵抗する力がなくなったため動かしやすくなっただけです。
なぜ効果がある人がいるの?
これまでストレッチではカラダが緩まないと述べてきましたが、一般の方でストレッチで効果がある方はいます。
※アスリートの方はストレッチ+トレーニングを行っているため関節可動域が拡大されます。
それはなぜか?
- うまく力を抜いている
- 細胞の滑走性がある
- 筋肉と筋肉の滑走性がある
- 関節が柔らかい
- 収縮させるセンサーが働いていない、筋肉が素早く収縮できない
①〜③が揃ってストレッチの効果がありますが、①が難しいので多くの方が単純なストレッチでは筋肉が緩むことができません。
ストレッチ効果がある方の多くは④と⑤が当てはまっていると考えられます。
④は女性の方に多く見られますし、大抵女性の方がカラダは柔らかいですね。
関節が不安定な方が、よりストレッチをしてしまうと関節はさらに不安定になるので筋肉は関節をサポートする力が衰える、または関節を守るために筋肉が硬くなる場合があります。
⑤も女性の方に多く見られます。
この場合、ストレッチのやりすぎはより筋肉を働かせないようにするので良くありません。
ストレッチで関節可動域が大きくなる方はいますが、元から筋肉が悪い意味で緩い状態なので、ストレッチが適応するのか考えなくてはなりません…
ストレッチで緩めるには?
散々ストレッチでは筋肉は緩まないと言ってきましたが、ストレッチでも緩ませる方法はあります。
筋肉を緩ませる方法は様々ありますが、本日はストレッチでの方法をご説明します。
先ほども出てきましたが、筋肉と腱の移行部にあるゴルジ腱器官のセンサーを刺激を与えることで筋肉は緩みます。
筋肉が緩むということは柔軟性の回復だけではなく、細胞の滑走性も回復したということになります。
刺激方法はゴルジ腱を押す、またはストレッチすることです。
ちなみに指圧などで筋肉を押すと組織が伸ばされるので局所的なストレッチになります。
ゴルジ腱を押すには解剖学の知識が必要になるので今回は割愛しますが、よくテレビなどで「一瞬で筋肉が柔らかくなった」と出てきますが、このテクニックを使っているだけなんです…
解剖学の知識が豊富なのでとてもすごいことですが…
筋肉にストレッチ感を与えずにゴルジ腱をストレッチするのは通常のストレッチではとても難しい。
筋肉を縮めようとするセンサーはとても敏感ですし、伸ばしたい気持ちが出てしまって力を抜くことはとても難しい。
そこで当店では、ゴルジ腱をストレッチする方法と筋肉の力みを無くす方法を合わせたストレッチを行なっております。
ゴルジ腱をストレッチする方法は主に施術者と行うPNFストレッチ、マッスルエナジーテクニック(MET)と呼ばれるテクニックがあります。
簡単に説明すると
ストレッチをすると筋肉もゴルジ腱もストレッチされます→センサーが働き筋肉は縮もうとするので、より筋肉を収縮させます→筋肉と腱の移行部が伸ばされるのでゴルジ腱がストレッチされ筋肉に緩ませるよう指令が出る。というメカニズムがあります。
縮もうとするセンサーを活用しつつ、緩ませようとするセンサーを刺激する方法です。
詳しく知りたい方は、PNFストレッチで検索してみてください。
そして、筋肉の力みをなくす方法は伸ばされている方向とは違う方向に揺らすことです。
詳しくは後ほど動画をご覧ください。
筋肉に余分な力が入っていないと揺らすことができます。
逆に筋肉に余分な力が入っていると固まってしまい揺らすことはできません。
揺らすことで筋肉は収縮されゴルジ腱はストレッチされますし、揺らすことで筋肉に力みがなくなるので縮ませるセンサーをオンにさせないようにできます。
このストレッチは私が考えたので、エビデンスはありません。
しかし、可動域の改善にはとても効果的です。
しかも、痛みが伴わないので怪我のリスクはゼロ!
筋肉間の滑走性
先程のストレッチを行なっても筋肉と筋肉の滑走性は改善されません。
また、滑走性が悪いまま行なっても怪我のリスクはありませんが、肉離れやぎっくり腰の再発防止までは期待はできません。
それは筋肉の柔軟性が再発の原因ではなく根本原因である滑走性を改善していないからです。
やり方は簡単です。
筋肉を個別に掴み外・内にスライドするだけです。
しかし、筋肉を個別に掴むことって解剖学を勉強していないとできませんよね…
なので、筋肉を気にせず、緩ませたいところを上から下まで満遍なく外→中、内→中にスライドさせます。
力は入りません。
柔らかくなるよう気持ちを込めて優しく。
実践編
長々と説明をしましたが、やり方はとっても簡単です。
もも裏の滑走性改善とストレッチの定番の前屈の動画をご用意しました。
滑走性の改善は同じ筋肉を2回以上怪我をした、ゆらゆらストレッチ(仮)の効果が出ない方が行なってください。
筋肉間の滑走性動画。
ゆらゆらストレッチ(仮)動画。
最初の前屈は加減したんじゃないの?と思われたかもしれませんが、もも裏の張りを感じない位置・ゆらゆらできる位置で止めています。
どんどん可動域が良くなっていますが、この時ももも裏の張りを感じない位置・ゆらゆらできる位置まで前屈しています。
多少は張りを感じても構いませんが、ゆらゆらできる位置が重要です。
まとめ
今回は「ストレッチで筋肉は緩むのか?」「なぜ再発するのか?」「なぜ柔軟性が回復しないのか?」「なぜ柔軟性が向上しないのか?」「どうやったら緩ませれるのか?」をご案内しました。
ストレッチが悪いと言っているわけではありません。
私もストレッチは行います。
実際に研究でストレッチの効果は証明されています。
が、それは研究であって、一般の方が行なった結果どうなっているのか?ってことも大切です。
このブログを読んで実践していただき、より健康的なカラダになっていただけたら嬉しいです。
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